グレートマジンガー愛 55話(前編)明日なき総力戦!!鉄也・甲児を地獄へ送れ!! [グレートマジンガー]
ようこそです。
グレートマジンガーはマジンガーZの続編として
1974~1975年に放映された
永井豪とダイナミックプロ原作
東映動画製作の巨大ロボットアニメーションです。
最終回の手前の第55話。
マジンガーZが加わったミケーネ帝国との最後の戦いとともに
剣鉄也と兜甲児が火花を散らす人間ドラマが見どころです。
ミケーネ帝国の攻撃に備え
共に飛行訓練をするグレートマジンガーとマジンガーZだが
敵の本拠地を攻めようという甲児の意見に鉄也は異議をとなえる。
「さっきから言ってるようにオレは反対だ。
無用の刺激をするべきじゃない!」
「意外だなあ鉄也君、君らしくないぜ。
こういうことには決断が必要だよ。
いつまでもグズグズ戦っているべきじゃ
ないと思うんだがな!」
「弓博士何とか言ってください!」
ジュンが発言すると甲児は思わず「お父さん」と兜剣造を呼び
にらみつける鉄也
「もちろん!」
レーダーが戦闘獣をキャッチ!
「鉄也君!甲児!
冷静に行動するんだ、いいな!!」
それぞれのテーマ曲が流れ、
出撃する二人が交互に切り替わる
迫力ある演出です 。
「くそぉ、兜甲児なんかに負けられるか!
オレは誰にも救われない孤児なんだ!
兜博士の手の中でぬくぬくと生活できるアイツとは
訳が違うんだ!!」
「そんなのんきなことをしていられるか!
一年前の作戦とは違うんだ!!
今はスピードだよ!挑戦してくるヤツはたたきつぶすんだ!!」
「おい鉄也君!決定した作戦だ!
勝手に変えちゃダメだ!!
ウワーッ!!」
「フン!あばよ!!」
「だめだな。お互いの気持ちがあんなにバラバラでは
これからが問題だ」
「兜博士。どうもあの二人の間に
わだかまりがあるようですな」
ジュンが腕をつかんだ拍子にヘルメットが床に落ちてしまった
「見損なったわ。あなたってそんなにちっぽけな
人間だったの!?」
「ちぇっ!俺にお説教するつもりかい!!
兜甲児と俺とは根っから違うんだよ!!
なんと言っても所長と俺とは
血のつながっていない赤の他人だからな!!」
激しく鉄也の頬を打つジュン!
そのとき廊下で二人の会話を聞いている影が・・・
所長にかばわれてぬくぬくと暮らしてる
兜甲児のお坊ちゃんぶりが気にいらねえんだよ!!」
「あいつのやり方がまかり通ったら
俺たちはどうして今まで命をかけてやってきたのか
わからないじゃねえか!!」
「これで弓さやかが帰ってきてみろ。
2つの家族の中で俺たちは
はみ出し者になるだけなんだ!」
「あぁ・・・」同じ孤児のジュンは
鉄也の言葉につらそうにため息をつく
「鉄也・・・!!」
廊下には一部始終を聞いていた兜剣造のサイボーグの腕が
いかがでしょうか。
このシーンのためにグレートマジンガー愛を書いてきたと言っても
過言ではありません。
作画森下圭介さんが渾身を込めて描く鉄也の表情
脚本藤川桂介さんの見事なセリフ
声優野田圭一さんは役者として魂を吹き込んでいます。
とても子供向きの作品とは思えません。
完全無欠のヒーローであるべき主人公が
複雑な人間関係の中で嫉妬に苦しみ
後編では戦線を離脱するに至ります。
こうした人間くさい一面が描かれていればこそ
年月を越えてキャラクターの魅力が
ファンを惹きつけるのでしょう。
孤児であるがゆえにとってしまった鉄也の行動に
共感できるかは人それぞれと思いますが
個人的には彼の勇敢な姿も含めて
愛さずにはいられません。
子供の頃から訓練を積み重ねてきた鉄也の
汗と涙の結晶であるヘルメット。
ずっと共に歩んできたジュン。
サイボーグの体で敵をたおすため
戦闘員の二人を育ててきた兜剣造。
祖父の意志で思いがけず操縦者になった
兜甲児のマジンガーZとは人物設定の重さが違いますね。
これは巨大ロボットの戦闘員の内面に踏み込んだ
記念碑的作品でもあります。
(脚本:藤川桂介 演出:明比正行 作画監督:森下圭介)
次回後編へ続きます
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