名探偵カッレくん [読書]
ようこそです。
アストリッド・リンドグレーン作
「名探偵カッレくん」(1946)
MÄSTERDETEKTIVEN BLOMKVIST
13才の探偵好きの少年が仲間と一緒に
本物の犯罪を突き止め犯人を逮捕するお話。
要約すると簡単ですが
その経過やユーモアのある語り口が実に面白く
子供の頃読んで忘れていたのを一気に再読しました
懐かしい単行本のカバー
※以下はネタバレです
カッレ・ブルムクヴィストはガールフレンドの
エーヴァ・ロッタのところに
突然現れたエイナルおじさんが気にかかる。
案の定、合い鍵や懐中電灯を所持し夜中に抜け出すなど
あやしい行動ばかり。
探偵捜査の基本だと逐一観察しメモを付ける。
城跡の地下室に落ちていた真珠を発見すると
宝石泥棒に違いないとこっそり指紋を採り警視庁に送った。
ところが犯人の一味に捕まり城跡に閉じ込められてしまう。
間一髪脱出、駆けつけた警察官の車で
逃走する犯人をつかまえる。
カッレ、エーヴァ・ロッタとアンデスの三人と
対立する子供グループは
シックステン、ベンカ、ユンテの悪ガキたち。
15世紀イングランドの内乱「バラ戦争」
に見立てカッレたちは白バラ、
シックステンたちが赤バラ軍を名乗り
ケンカや秘密文書を取り交わす「戦争」が
日頃の洒落た遊びのスタイル。
これが大人の犯人たちに絡んで
やきもきさせるのが愉快。
巻末では映画監督の山田洋次さんが
ファンの思いを熱く語っています。
「寅さん」の中で印刷工場から団子屋へ
タコ社長がやってくる破れた板塀の設定は
「カッレくん」からいただいたそうです。
シリーズもので続編は
「カッレくんの冒険」
「名探偵カッレとスパイ団」
があります。
アストリッド・リンドグレーン(1907-2002)は
第二次世界大戦後、仕事や子育てのかたわら38才で
「長くつ下のピッピ」(1945)Pippi Långstrump
でデビューしました。
おてんばなキャラクターは映像化され
かなり有名ですね。