渡辺宙明 追悼① [アニメ]
ようこそです。
さる6月23日アニメ特撮ソングの巨匠、渡辺宙明先生が
96歳で逝去されました。
10代の頃、グレートマジンガーの挿入歌
「ビューナスAの歌」「ジュンの歌」に出会い
そのすばらしさに感動してファンレターを出しました。
そのとき丁寧な封書のお返事を頂いたのが貴重な思い出です。
以下の著書の中に
『大人が聴いても、子供が大人になって聴いても力を失わない音楽、
存在価値が揺るがない音楽を目指しました。』
とありますが本当にその通りになりました。
東大で心理学を学んだ後、團伊玖磨、渡辺貞夫らに師事、
クラシックからジャズまで幅広い影響を受け
1956年より映画音楽を手がけます。
イタリアのニーノ・ロータやエンリオ・モリコーネなどの
メロディーがお好きだったとか。
新東宝、日活、東映の邦画をやる中で
『BGMは映像にエネルギーを与えないと意味がない。
悲壮な戦いの中でアクション音楽でなくメロディーを流し
底に流れる悲しさを表現する。』
→グレートマジンガー19話 肌の色に悩むジュンのエピソードを思い出します。
『アクション映画と人間ドラマ映画の音楽は
全然違います。書き分ける力が無いと書けません。
アクション映画だって抒情的なシーンはありますから』
『映画の企画意図、ストーリー、画面、内容にマッチして
ものを書く、書ける。これが大事なんです。
もう一つは音楽だけを取り出しても鑑賞に耐えうることが
必要だという気持ちで私はやっているんです。』
渡辺宙明の音楽にはこのような映画音楽の長い経験がありました。
子供向けロボットアニメに人間ドラマの要素を持ち込んだ
グレートマジンガーの音楽につながったのだとわかります。
「鉄也のテーマ」「ビューナスAの歌」は
BGMで流れるインストゥルメンタルでも素晴らしく曲の底力を感じます。
特撮とアニメの音楽を手がけることになったきっかけが
人造人間キカイダー(1972,73)
『自分でも驚いています。この世界に入らなかったら私の今はない。』
マジンガーZ(1972~4)
『今まで考えてもみなかったものが私の所に来て
心が燃え上がりワクワクした。これはやりがいがあるぞ!』
宙明節、宙明サウンドと言われる哀愁に満ちたメロディーと
パンチのきいたリズム。
『日本人の感覚で日本人に受けるような格好いいものをと取り組んだ(二六抜き)・・・
ロボットでも戦闘音楽だけではなくて悲しみも喜びもある・・・
子供用でもマーチや童謡風ではないことをしたい
(自分はロックでいこう)・・・
アニメは選曲形式なので画にあわせるというより
思う存分力一杯いい曲を書く。』
「おれはグレートマジンガー」はイントロ二拍でスイッチがはいります!^^
特撮とアニメ音楽を47歳から手がけたというのに驚きます。
90歳を過ぎてもまだ60歳くらいの感じとおっしゃっておられました。
会場のアンケートではファンレターの思い出を書いて提出しました。
先生に届いたでしょうか・・・
渡辺宙明先生、長いことお疲れさまでした。
素晴らしい曲をたくさんありがとうございました。
宙明サウンドがあれば元気に生きていけます。
心よりご冥福をお祈りいたします。
また次回
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